私と君と、あの子。
 私は、友達のところに行くなんて嘘をついて、屋上へ向かった。

 屋上から見上げた空は、青くて、澄んでいて、すっごく綺麗で・・・。

 自然と涙が出てきてしまった・・・。


「亮太ぁ・・・。亮太ぁっ・・・!!」


 大好きな人の名前を呼んだ。
 
 精一杯呼んだ。

 もぉ、麻美ちゃんのものになった亮太の名前を叫んだ。


「・・・そんなに亮太が好きか?」

「・・・雪斗。」

 
 振り向くと、真剣な目で私を見つめている雪斗がいた。

 雪斗は、私にゆっくりと近づいて、私を抱きしめた。


「ごめんねっ・・・。雪斗・・・、ごめんっ。」

「いいんだよ、優衣。いっぱい泣けば。いっぱい泣いてさ、あいつのことなんて忘れちゃえよっ!」

「えっ・・・?」

「そんでさ、俺のこと、好きになってよ。俺、亮太のこと忘れさせる自信あるよ。」


 雪斗の真剣な目が、私を冷静にさせる。
 
 雪斗・・・。私、亮太のこと、忘れるよ・・・?

 雪斗のこと、ちゃんと好きになるから・・・。
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