私と君と、あの子。
 いつも優しい亮太。だけど、それは私にだけの優しさじゃない。亮太は優しいから、だれにでも優しい。
 
 そんな亮太に優しくされると、私は辛くなってしまう・・・。


「教室、入るぞ?」

「・・・あ、私、ちょっと友達んとこ行ってくるね!」

「えっ!?ちょっ・・・おいっ!!」


 私は、亮太の声を無視して廊下を走った。走って、階段を上がって、屋上へ向かった。屋上のドアを開けると、そこには真っ青な青空。なのに、私の心の中は灰色。


「はあ・・・。こんなとこ来てもしょうがないし、教室戻ろう。」


 教室のドアを開けると、亮太の姿が目に飛び込んだ。可愛い女の子と、楽しそうに喋ってて、私には気づいてないみたい。


「あー!!おはよっ、優衣!!!」

「あ、莉乃。おはよぉ。」


 朝からテンション高いこの子は、佐々木莉乃。中学からの親友なの。莉乃は、私が亮太を好きなことを知ってる。相談にもいっつも乗ってくれる。


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