私と君と、あの子。

ダブルデート

【優衣side】

 昨日、雪斗と初めてのキスをした。

 でも、その夜、頭に浮かんだのは亮太の顔で・・・。

 やっぱり私は、亮太のことが忘れられてない。


「優ー衣ちゃんっ!!」

 
 朝からハイテンションな麻美ちゃんが、私のところへやってくる。


「なに?」

「あのねっ?ダブルデートしないっ?」

「えっ?ダブルデート?」

「うん、もうすぐ3連休でしょ?遊園地行こうよっ。」
 
 
 ダブルデートってことは、亮太も一緒・・・。

 私は少し憂鬱だったけど、遊園地は大好きだしいいかなと思い、OKをした。

 隣の席の雪斗が、麻美ちゃんと私の会話を聞いていたみたいで、少し笑顔だった。


「優衣、ダブルデートだって?」

「うんっ。」

「おまえ、俺の予定も聞かずにさあ・・・。」

「ごめんっ!」

 
 そうだよね。雪斗、予定あるよね・・・。

 私が少ししょんぼりしていると、雪斗は私の頭を撫でた。


「誰が行けないって言ったんだよ?行くに決まってんだろ?優衣との初デート。」


 雪斗は少し意地悪な顔で笑った。
< 34 / 47 >

この作品をシェア

pagetop