私と君と、あの子。
「どした!?優衣!?」

「ごめんねっ、雪斗ぉ!」

「えっ・・・?」

「・・・私、やっぱり・・・・・・亮太のことっ忘れられないのぉ!」

「・・・・・・。」

「好きって・・・言ってくれたのにぃ!キスしてくれたのにぃ・・・。」
 

 雪斗の顔が涙でにじんで見えない。

 ごめんね、雪斗・・・。

 亮太を消すことなんてできない。


「・・・やっと言ってくれた。」

「えっ・・・?」

「優衣が、亮太のこと忘れられないことなんて最初から分かってたよ。」


 落ち着いた声で、雪斗がそう言う。

 分かってた・・・?

 それでも・・・、雪斗は・・・。


「そっか・・・。やっぱり、俺じゃだめだったか。亮太の代わりにはなれなかったかぁ。」

「・・・・・・。」

「そんな顔、するなよっ!俺は、優衣のこと嫌いになったりしない!」

「・・・・・・。」

「優衣のこと、諦めるよっ。だから、優衣は亮太のことちゃんと考えろよな?」


 雪斗の少し震えた声が、私を辛くさせる。

 ごめんね、雪斗。こんな答えしか出せなくて・・・。


「これからは、俺のこと、一番の友達として見てくれよなっ!」

「うんっ・・・!」

「ありがとな、優衣。俺と付き合ってくれて。」

 
 そう言った雪斗の顔は、とても穏やかで優しい表情をしていた。
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