私と君と、あの子。

私の片想い。

【優衣side】

 雪斗と別れて、一週間が経った。

 雪斗は、前と変わらず接してくれているけど、時々寂しそうな顔をする。

 その顔を見ると、私はいつも自分が最低だと感じる。

 なんで、雪斗にこんな顔しかさせられないんだろう。

 私は、最低だ。


「ねえねえ、亮太ー。一緒にご飯食べよー?」


 後ろでは、麻美ちゃんが甘い声で亮太に喋りかけている。

 あの日、亮太に好きと言われてから亮太のことをちゃんと見ていない。

 時折、目が合うけれどすぐに逸らす。


「・・・おう。」


 亮太の冷たい声が、私の耳を通り抜ける。
 
 亮太のこんな声は、初めて聞いた。


「・・・亮太っ!」


 私は、自分の意志でか、それとも口が勝手に亮太の名前を呼んだのか・・・。

 どっちかは、分からないけど亮太の名前を呼んだ。

 亮太の冷たい声が、気になって・・・。


「どうした?優衣。」


 でも、私の名前を呼んだ亮太の声は、冷たくなんかなかったんだ。

 とても優しい声で、温かい声で私の名前を呼んでくれた。

 亮太を見ると、亮太は少し微笑んでいた。

 
「ううん。なんでもなぃ。」

「そっか?」

「うん・・・。」

 
 亮太は「じゃあな。」と一言残して、1人で教室を出て行った。

 その亮太を追いかけて、教室を飛び出していく麻美ちゃん。

 ・・・ねえ、亮太?麻美ちゃんと、なにがあったの?

 私じゃ頼りないから教えてくれないの?
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