私と君と、あの子。
「優衣?」


 後ろから、亮太の声がする。・・・今頃?亮太は、いつもこう。私が辛くなってから、私の名前を呼んで、ずるいよ・・・。


「なに?亮太。」

「いや、さっき友達んとこ行くって言って、飛び出してったからさ、心配で・・・。」

「そっか・・・。ありがと。」

「あ、そうだ!おまえに紹介したい奴がいるんだっ。麻美ー。」

 
 亮太が名前を呼ぶと、その子は小走りで私たちの所まで来た。茶色がかったふんわりした髪。白い肌。少し化粧されている顔は、まるでモデルみたいで・・・。


「こいつ、麻美っていうんだ。さっき、話しかけられてさ、仲良くなったんだよ。」

「あなたが優衣ちゃん?私、平川麻美っていいます。よろしくねっ!」

「・・・よろしく。」

「おい、なんだよ優衣!元気ないじゃん。麻美がせっかく挨拶してくれたっていうのにさぁ。」


 なによ。麻美、麻美って。そんなに麻美ちゃんがいいなら、私のことなんかほっといて2人で喋ってればいいじゃない!亮太は、私の気持ち、なんにも分かってくれない。

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