私と君と、あの子。
「・・・ごめん。そろそろ、自分の席戻るね。」


 私は、2人が仲良いのを見てるのも嫌だし、邪魔しちゃいけないと思った。私は、もう亮太の傍に居てはいけない。亮太の恋を邪魔してるだけかもしれないから。

 亮太は、たぶん麻美ちゃんのことが好き。そして、きっと麻美ちゃんも、亮太のことが好き。

 ・・・もういいよ。邪魔して、気まずくなるくらいなら、一緒に居ないほうがいい。
 今の関係を、保っていたい。


「優衣?どうしたんだよ・・・。」

「あっ、雪斗・・・。」

 
 雪斗。斎藤雪斗。雪斗とは、中3からの友達。雪斗は、ドSで、俺様だけど、いつも私が辛いときは、一番最初に気がついてくれる。

 そんな雪斗のことを、私はたまに意識してしまう。亮太のことが好きなのに、雪斗のことが気になってしまう・・・。だめだって分かってるけど、やめられない。


「ありがとね、雪斗。雪斗は、いつも私が辛いのに気づいてくれる。すっごく嬉しいよ。ありがとうっ。」

「・・・辛いときは、俺に言えよな。俺はいつでも、お前の味方だから。」

「ありがとっ!それじゃあ、お言葉に甘えて、そうさせてもらうねっ。」

「おうっ。」


 雪斗は、優しく微笑んで教室を出て行った。雪斗の微笑んだ顔を思い出すと、胸がドキッとしてしまう・・・。
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