私と君と、あの子。
「おい、優衣!おまえ、雪斗と何喋ってたんだよ。」

「何って・・・。雪斗は、いつも私の気持ち、気づいてくれるから嬉しいって言ったら、雪斗が、辛いとき俺に言えよって言ってくれただけだよ?」

「・・・なんで雪斗なんだよ。」

「え・・・?」

「俺のことも、頼ってくれよ!!」


 亮太の真剣な目が、私の目を見る。こんなに真剣な亮太の目を見るのは初めてで、私は少しびっくりしてしまった。

 ねえ、亮太?なんでそんなこと言うの?亮太は、いつも私を期待させるようなこと言って、突き放す。ずるいよ、亮太・・・。


「・・・亮太は、私なんかに構ってる場合じゃないでしょ?麻美ちゃん、待ってるよ?早く行きなよ。」

「俺は、優衣がっ・・・。」

「私はっ!!」


 思わず亮太の言葉をかき消した。


「私は、大丈夫だからっ!亮太が傍に居なくても・・・。」

「優衣・・・?」

「早く行きなよっ。私、亮太の恋、応援してるからっ!がんばれ!」


 そう言って、亮太の背中をトンッと押した。そして、亮太に背を向けた。
 
 私の気持ちが、亮太に伝わってしまわないように・・・。
< 7 / 47 >

この作品をシェア

pagetop