ハッピークライシス
「…で、ユエはジェイドの恋人役ってわけ」
「笑えるだろう」
「ドン引き。どうでもいいけど、あたしの仕事の邪魔だけはしないでよね」
「レヴェンから依頼を受けるとは、シホも名を上げたな。だが、気をつけろよ。クリーンな政治を掲げるフェデリコが清潔な白豚だとは限らない」
「……誰も、依頼者がレヴェンでターゲットがフェデリコだなんて言ってないでしょう。勝手に詮索するのやめてちょうだい」
「影武者が少なくとも2人いる」
シホから視線を外し、真っ直ぐに会場を見つめる。
独り言のように呟かれたそれにシホは小さく目を見開いた。まだ、その情報を彼女は知らなかった。