ハッピークライシス
ここ最近、仕事が立て込んでいたせいで、昼夜逆転の生活が続いていた。
太陽は既に真上に上がり、カーテンの隙間から入る日差しが眩しくて思わずギュッと瞳を閉じた。
―身体、怠いなァ…。
サイドテーブルに置いてあったミネラルウォーターのボトルを手に取り、グラスに注ぐことなくそのまま口をつける。
寝転がったまま、横に置いていたノートパソコンを開いた。
一通の受信メール。
セキュリティコードを打ち、ファイヤーウォールの設定をし直した上でメールを開く。送信者はシンシア=イオハルトだった。
ユエと同じ、同郷の幼馴染であり、現在の仕事の依頼者でもある。
『青薔薇の動きの先を読め』
ソレを見て、思わず目を見開いた。