ハッピークライシス
「うん、…欲しいな」
「ぁ…あ、ああああ、っ」
ぐイと腰を引かれ、目の前で無数の星が散った。
身体の奥がびくびくと痙攣し、頭の中に真っ白なものが広がっていく。
熱い息が、耳元をじわりとくすぐった。
ベッドに寝転がりながら、視線だけユエに向ければ、ユエは随分楽しそうに目を細めた。
―すぐ飽きて捨てるようなものを盗む為に、あたしも、シンシアも敵にまわすの?
そんなこと、口が裂けてもいえない。ユエにとってはそんな関係ですら"些細なこと"なのだ。最低だ。答えは分かり切っているくせに、何度も心の中で問い掛けて。離れられもせずこうして身体を繋げている自分も大概頭がおかしい。
ユエが狙いを定める"彼女"に同情しつつ、早くお前も捨てられてしまえと願うのだ。