ハッピークライシス
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うっそりと目を覚ます。
ユエとセックスをしながら、どうやら意識を飛ばしてしまったらしい。いくら最近、疲労が重なっていたとはいえ、殺し屋業を営むシホには初めての経験だった。
時計を見れば、短針は午前4時をさしていた。まだ薄暗く光はない。ずきずきと痛む頭を押さえながらふと、隣を見る。
「……ユエ?」
乱れたシーツ、床には脱ぎ捨てられた赤いサテンドレスと、下着だけ。ユエのシャツはない。
「やられた……」
酷く気だるい身体。
どのタイミングでかは定かでないが、シホのグラスか皿に薬を仕込んだに違いない。"彼女"を盗むために。