雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「ラクロットさんから聞いた。おまえ、殿下の行動を探っていたらしいな」


 指摘されて、ようやく気が付いたのか、ユイは途端にうろたえた。


「でも、今回はたまたま……」


 ユイの言い訳を、ロイドは遮る。


「たまたまじゃない。あの後、調べに行ってみたら、細工の跡があった」
「え?」


 ユイは絶句してロイドを見つめた。

 ロイドは東屋の調査結果と、誰かが殿下を落とそうとしていた可能性をユイに告げた。
 それはユイの身も危険だという事だ。


「王宮内の探検はもういい。明日からはなるべくひとりになるな。オレの目の届く場所、研究室にいろ。いいな」

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