雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「わかった」


 返事は素直にしたものの、ユイが素直にいう事を聞くかどうかは、甚だ疑問が残る。
 かといって、ユイが一人にならないように、ついて歩くわけにもいかない。

 どうにかしてユイの身を守る術はないか、ロイドは考えあぐねていた。

 少ししてユイが、ロイドを上目遣いで見つめながら、恐る恐る告げてきた。


「あの……。ジレットに正体ばれちゃったんだけど……」


 そっちはそれほど重要ではない。


「あぁ、それもラクロットさんから聞いた。あの方は大丈夫だろう」


 ロイドが平然と返すと、ユイは面食らったようにつぶやいた。


「え? それだけ?」
「何だ?」

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