雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「別にどこも悪くはないぞ」


 ロイドがそう言うと、ローザンはニコニコ笑いながら腕を取った。


「まぁ、そう言わずに。とりあえず血圧と血液だけ調べさせて下さい」
「じゃあ、好きにしろ」


 ロイドの承諾を得て、ローザンは手首に血圧計を取り付ける。
 ボタンを押して少しすると、小さな液晶画面に数値が表示された。

 数値を眺めて、ローザンは血圧計を外す。


「血圧は正常ですね。次は少し血を採らせて下さい。ちょっとチクッとしますよ」


 そう言いながら親指の爪ほどの白いクリップで、ロイドの耳たぶを挟んだ。
 ローザンが言った通り、耳たぶにチクッと刺激が走る。

 すぐにクリップを外すと、ローザンは小脇に抱えていた血液の分析装置に、それをセットした。
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