雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「ここがアメリカで、ここがニッポン。私の知っている世界はこうなの!」


 これが世界?
 まるきり違う世界地図を、ロイドは見つめる。

 ウソを言っているようには見えない。
 全く迷うことなく、この地図を描いたところを見ると、でたらめでもなさそうだ。

 そして、ふと思い出した。

 以前、自分の育ての親に当たる考古学者ブラーヌが、過去に何度か異世界の人間が現れた事があると言っていた事を。

 ロイドはガシガシと頭をかきむしった。


「面倒な事になったみたいだぞ」
「どういう事?」


 自分が知らない世界にいる事を、この女は把握していないようだ。


 装置の故障で勝手に転送機能が作動しただけかと思ったが、そんな単純な事ではなさそうだ。
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