雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ピクリと身体を震わせて、ユイが目を開く。
 ロイドはメガネを外しながら、ユイの身体を抱き寄せた。

 自分から求めておきながら、驚いたように目を見張るユイの唇に、ロイドは深く口づける。

 ユイは身を硬くして、再びきつく目を閉じた。
 それを確認し、ロイドは安心してユイの唇を味わった。

 少ししてユイの唇を解放し、抱きしめていた腕をほどく。

 ユイは目を開き、驚愕の表情でロイドを見つめた。

 何をそんなに驚いているのか、相変わらず分からない。
 そろそろ茶番は終わりにしよう。


「ロイドって、やっぱり……」


 何かを言いかけたユイを見下ろして、ロイドは目を細めると、その額を強く叩いた。


「何のつもりだ」

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