雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
装置に誤動作を起こさせる、何らかの要因があったとしか思えない。
それを説明すると、女はやっと事の重大さに気が付いたらしい。
呆然とした表情でつぶやく。
「異世界……?」
「そうだ。おまえは異世界から来たんだ」
そう言ってロイドは立ち上がり、装置の外へ出た。
「ラクロットさん、まずい事になった」
装置に誤動作を起こさせた原因が判明するまで、あの装置を殿下の捜索に使用するわけにはいかない。
再び誤動作を起こして、また関係のない人間が、どこからか現れては益々面倒だ。
となると、転送機能のない機能縮小版の装置を使用するしかない。
それだと時間がかかりすぎる。
何日もかかるかもしれない。