雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「そんな事言われてたまるか」(3)

 話している内に研究室にたどり着いた。
 扉の前で立ち止まると、ロイドは振り返って釘を刺す。


「とにかく、もうすでに噂になってるかもしれない。身辺には気を配れよ」
「わかった」


 ユイはため息をついて返事をした。

 ウソでからかわれたので、ロイドは仕返しを思い付いた。


「後で文字の学習教材を持ってきてやる。自分で言ったからには、やってもらわないとな」


 ニヤリと笑ってそう言うと、ユイは即座に反撃してきた。


「いいわよ。そのかわりケーキ作れなくなるけど、いいの?」


 ロイドは表情を崩すことなく言い返す。

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