雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 同時に人による捜索隊も、結成した方がいいだろう。

 だが何日も殿下の姿が見えないと、不審に思われてしまう。
 それについて、ロイドは名案を思い付いた。


「何かあったんですか?」


 不安そうな顔で問いかけるラクロット氏に、ロイドはにっこり微笑んだ。


「大丈夫です。装置が誤動作を起こしたようです」


 そしてロイドは、ラクロット氏に先ほど考えた事を告げ、捜索隊の結成を頼んだ。
 ラクロット氏は返事をして、ロイドが思った事と同じ不安を口にする。


「殿下が何日も不在だと、不審に思われませんか?」
「彼女に協力してもらいましょう」


 ロイドが装置の中の女を目で示すと、ラクロット氏はそちらに目を向け、驚いたように言う。

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