雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは足を止めて、ローザンを振り返る。


「うっとうしいって、日に一、二回のもんだろ?」


 ロイドが問いかけると、ローザンは思い切り顔をしかめた。


「えーっ? そんなもんじゃありませんよ。間隔にはムラがあるんですけど、何度も出ますよ。数えてないので正確には分かりませんが、日に十回以上は出てます。今も、ちょっと話してる間に三つも出てますし」

「そんなに出てるのか?」


 ロイドは足早に歩み寄ると、コンピュータの画面を覗き込んだ。

 確かに画面の真ん中に、小さなウィンドウが三つ、重なるように表示されている。
 ロイドがそれを、一つずつ確認しながら閉じていくのを、横でローザンが読み上げた。


「ジスクール……ベイシュヴェル……ラグランジュ……。なんですか? この地名……」
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