雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
そこには棒グラフが表示され、左から三分の一辺りから、急に棒の長さが長くなっている。
「なるほど、十日前から多くなってるな」
そう言ってロイドが表示を切り替えていると、後ろからユイが尋ねた。
「あなた、自分でそこに座ってる時に気付かなかったの?」
「通知が来るのはいつもの事だし、他に気をとられてて気にしてなかった」
表示は折れ線グラフに変わり、途中から全ての線が急角度で上向いている。
「……全遺跡から頻繁に来てるな」
ロイドは画面を見つめたまま、腕を組んだ。
「妙だな。過去データからすると、遺跡の活動期はもう少し先のはずだ」
「十日前っていうと、レフォール殿下が行方知れずになった日ですよね」