雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 料理をしながらロイドは、ブラーヌにコンピュータを操作してもらい、遺跡の事を訊いた。
 ブラーヌはロイドのデータを見て、確信を得たらしい。

 ブラーヌが調査に行っていたベイシュヴェルの遺跡は、普段滅多に光らない。
 ところが、このところ一日に何度も光るので、妙だと思っていたという。

 ブラーヌが言うには、ロイドのデータから見て、遺跡の装置が活動期に入っていると見て間違いないそうだ。

 本来ならあと二、三年先だが、なぜ早まったのかまでは分からないという。

 遺跡の装置は三十年に一度、三十日間稼働が活発になる。
 普段の十〜二十倍の頻度で装置が稼働し、光を放つ。

 装置が稼働する間隔は、各遺跡ごとに一定となっているが、各々の遺跡の稼働間隔はそれぞれ違う。
 だが、時々周期的に稼働時間が一致して、全遺跡が一斉に光る時がある。

 その時は時空の歪みが最大となり、遺跡は異世界への通路を開く。

 過去、遺跡の活動期には、よく物が消えたり、現れたりしたという。
 人が現れたりするのは稀だが、何例かあるらしい。
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