雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「いう事を聞くようになったと思って油断した」(4)

 オムレツを食べ続けていたブラーヌが、不意に顔を上げてロイドを見つめた。


「おまえも異世界から来たのかもしれないな」
「オレが?」

「おまえを拾った時は、ちょうど遺跡の活動期だった。ラフルールの遺跡が派手に光った後に、おまえを拾ったんだ」

「そうか」


 ロイドは特に驚きもしなかった。
 元々ブラーヌに拾われた頃の事は、あまり記憶にない。
 ましてやそれ以前の事など、さっぱり覚えていないのだ。

 ロイドは袋を肩に担いで、出口へ向かった。
 取っ手に手をかけ、振り返って尋ねる。


「今度はどこに行くんだ?」


 ブラーヌは再びオムレツを食べながら答えた。

< 156 / 374 >

この作品をシェア

pagetop