雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「直せる?」


 上目遣いに見つめて、ユイが尋ねる。
 ロイドは口の端を上げて、額を叩いた。


「誰に向かって言っている。オレが作ったんだ。メモリがやられてなけりゃ、元通りになる」
「よかったぁ」


 ユイは心底安心したように、息をついた。

 メモリはおそらく大丈夫だろう。
 小鳥は強い衝撃を受けると、メモリを保護するために、体内の電流を遮断する仕組みになっている。
 機能を停止しているのは、そのためだ。

 壊れた小鳥に涙ぐむほど、可愛がってくれているのが嬉しくて、ロイドは目を細めた。

 小鳥をポケットに収めた時、ブラーヌから貰った謎の機械を思い出した。

 反対側のポケットを探り、それをユイに差し出す。

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