雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「あぁ。助かった。後は自分でやる。残業させて悪かったな」
「いえ、ほんの十分くらいですし」


 笑いながら挨拶をして、ローザンは研究室を出て行った。

 無関係な事を手伝ってもらっているので、ローザンには時間外勤務はさせないようにしている。

 研究者でもある彼は、やりたい事がたくさんあるのだ。
 きっとこの後も、医務室の奥にしばらくはいるのだろう。

 遺跡が異世界に通じる事が分かって、ユイをニッポンに帰す方法は目星が付いた。

 後は、殿下の捜索も含めて、マシンの改造だけだ。
 それにはローザンの調査結果が重要になる。

 ロイドはローザンの渡した紙に目を落とす。

 各遺跡の稼働間隔がそれぞれ書かれ、その下に最小公倍数と同期時の平均稼働時間が書かれていた。

 その数字を見て、ロイドは愕然とする。
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