雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 最小公倍数は三十時間で、一日より長い。
 そして同期時の平均稼働時間は、最短で十秒。

 その下にローザンの但し書きがあった。


”多少の誤差はありますが、一秒以内です。
十秒より短い事はありません。直近の同期は明日の十四時です”


 ロイドは計算機を叩いて、同期の取れる回数を計算した。
 明日の十四時も含めて、あと十七回。

 活動期終了まで二十日もあると、悠長に構えている場合ではなかった。

 もしも、その間に殿下が見つからなかったら、ユイは——?

 目の前が真っ暗になったような気がして、ロイドは呆然と立ち尽くした。


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