雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 そんな重責と、ユイ自身が望むはずのない人生を強いる事になる。

 陛下やラクロット氏は助力してくれるだろう。
 だがロイド自身は、側にいてやれないかもしれない。

 三十年先まで殿下の捜索が出来なくなったら、捜索責任者としてロイドは何らかの責任を取らされるだろう。

 全ては自分の手腕にかかっている。


「ユイ……」


 ロイドは額に手を当て、項垂れた。

 こんな事を考えている場合ではない。
 時間がないのだ。
 すぐにでも作業に取りかかるべきだと分かっている。
 なのに何から手を付けていいのか、判断できない。

 焦った気持ちを落ち着かせるために、ロイドは今出来る事をやろうと考えた。

 ポケットから機能を停止した小鳥ロボットを取り出す。
 動かない小鳥を撫でながら、ロイドは目を細めた。

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