雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは小鳥を見つめて、小さくため息をつく。


「この情報だけメモリから削除してやればよかったな」


 ユイはクスリと笑うと、笑顔で駆け寄ってきた。


「ロイド!」


 てっきり自分に礼を言って飛びついてくるものと期待していたら、ユイは両手で小鳥を受け取り、嬉しそうに頭を撫でている。


「なんだ、そっちか」


 ついつい不満を漏らすと、ユイは軽く礼を述べた。


「あ、さっきは助けてくれてありがとう」


 小鳥を可愛がってくれているのは嬉しいが、小鳥よりも自分の扱いが軽いのは、なんだか不愉快だ。

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