雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「どうして一日は、二十四時間しかないんだろう」(3)

 ユイが精一杯励ましてくれているのが分かる。
 ロイドは顔を上げ、少し笑みを浮かべて答えた。


「今朝の奴」


 ユイは嬉しそうににっこり笑う。
 最近はよく笑いかけてくれるようになった。


「わかった。シュークリーム二十個ね。とりあえず今は、甘いお茶を淹れてあげる」
「なるほど」


 確かに名案だ。

 ロイドは立ち去ろうとしたユイの手首を掴んで引き寄せた。
 バランスを崩したユイは、フラつきながら二、三歩後ずさり、そのままロイドのひざの上に尻餅をついた。


「ちょっと、何なの!」

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