雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 わめきながら立ち上がろうとするユイを、ロイドは片手で捕まえて、もう片方の手でメガネを外しながら顔を覗き込んだ。


「確かに、エネルギーの補給は必要だ」

「何、メガネ外してるの! だから、ゲロ甘茶を淹れてあげるって言ってるでしょ?」


 ロイドはメガネを机の上に置くと、もがくユイを両腕で抱きすくめた。


「そんなものより、おまえの唇の方が何倍も甘い」


 ユイが顔を引きつらせた一瞬の隙を突いて、ロイドは素早く口づけた。

 唇の甘さと腕の中の温もりに、ほんの少し気持ちが和らいだ気がした。

 少しの間、ユイの唇を味わうと、ロイドは顔を離してニッと笑った。


「エネルギー充填、百二十パーセントだ」

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