雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 いつになく激しい口づけに、ユイが抵抗して顔を背けた。


「……やっ……!」
「まだだ」


 ロイドは逃すまいと、頭に手を添え、更にきつく抱きしめた。

 不安も、焦りも、ユイの行く末も、全てに目を背け、夢中でユイの唇に溺れる。

 ユイは次第に抵抗を止め、全身から力が抜けていった。

 しばらくして唇を解放した時、ユイはすっかり放心して、小さく甘い吐息を漏らした。

 上気してうっとりした表情を浮かべ、艶を帯びてうるんだ瞳を見た途端、更なる欲求が湧いてきて、ロイドはユイの耳元で囁いた。


「感じたのか?」


 ハッとして我に返ったユイは、思い切りロイドを突き放した。

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