雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「違うわよ!」


 真っ赤になって頬を膨らませるユイがかわいくて、ロイドはクスクス笑う。


「キスで放心するほど感じてるようじゃ、先が思いやられるな」
「だから違うってば! 先って何よ!」


 ムキになってわめくユイの耳元で、ロイドは再び囁いた。


「知りたければ教えてやる。今からオレの部屋に行くか?」


 一瞬絶句した後、ユイは叫んだ。


「行かないって前に言ったでしょ? この、エロ学者!」
『エロガクシャ』


 別の場所から聞こえたユイの声に驚いて、二人同時にそちらを向くと、机の上で小鳥がロイドのメガネをつつきながら、首を傾げていた。
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