雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ユイは何かを察したのかもしれない。
 恋愛感情にはニブイのに、こんな余計な事には鋭い奴だ。

 ロイドはフッと笑いながら立ち上がり、ユイの頭を抱えるようにして抱き寄せた。


「また、なんでもないのに泣いてるのか」


 そしてユイの頭を撫でながら、優しく諭すように言う。


「心配するな。おまえは必ず守ってやる。前にも言っただろう?」


 ユイはロイドの胸に顔を伏せてしがみついた。


「優しくしないでよ」
「わかった。激しい方がいいんだな?」
「バカ。エロ学者」


 即座に返ってくる、いつも通りのユイの反応に、ロイドは思わずクスクス笑う。

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