雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「私、あなたに何もしてあげられない」
「おまえにはエネルギーを貰った。オレはきっと成し遂げられる。おまえの胸は確かに小さいが、すごく温かかった」

「小さくて悪かったわね。他に言う事ないの?」


 他に言う事など、ひとつしかない。


「あ……」


 喉まで出かかった言葉を、ロイドは無理矢理飲み込んだ。

 告げるべきではない。
 その言葉は、ユイを惑わせてしまう。


「……もう少し太れ」


 ごまかしてつぶやいた後、ロイドはユイをきつく抱きしめた。

 愛してる、愛してる、愛してる……。

 そして飲み込んだ言葉を、胸の奥で何度も繰り返した。

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