雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 今日はもう、どうあがいても間に合わない。
 時間がないのでプログラムの内容そのものは、ほとんど変更していない。
 ロジックを見直す時間が出来たと思えばいいか。

 次の同期は二日後の午前二時。
 それまでには少し余裕がある。

 頭を少し休めるために部屋に戻ったロイドは、同期時にいつもより長い間光る遺跡を見ようと、テラスに出てきた。

 しばらくの間、手すりにもたれて、灰皿を片手にタバコを吹かしていると、隣の部屋からユイが出てきた。
 ユイはロイドに気付くと、真っ直ぐこちらに歩いてくる。

 ロイドはタバコをもみ消し、ユイに尋ねた。


「おまえも見に来たのか?」
「うん」


 灰皿を自室前の机に置き、ロイドはユイと並んで手すりに縋った。
 腕時計に目をやると、ちょうど八時。

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