雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「オレなんか、好きになるな」 (3)

「え? 男の人って、初物は引くんじゃないの?」


 誰から聞いたんだか知らないが、男を知らないくせに、そういう余計な知識だけはあるようだ。

 意外そうに見上げるユイに、ロイドはニヤリと笑う。


「オレは気にしない。初物には初物の良さがある。オレ好みにカスタマイズ自在って事だからな」


 そう言うと、ユイは大きくため息をついた。


「機械のように言わないで」


 ロイドはユイを抱き寄せたまま、片手でメガネを外してポケットに収めた。


「とりあえず今は、前金を頂いておくとしよう」

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