雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ローザンが心配そうに声をかける。


「ユイさん、寝てなくて大丈夫なんですか?」
「うん。もう平気。大したことないから」


 ユイは苦笑して答え、休憩コーナーに向かって歩いていった。

 先ほどの事で落ち込んで、てっきり部屋で泣いているものと思っていたが、ユイは案外平然としている。

 どれだけ立ち直りが早いんだろうと、ロイドは驚いた。

 休憩コーナーの側で立ち止まり、ユイはこちらを向いて話しかけてきた。


「ロイド、紙とペン貸して」


 ロイドはプリンタから用紙を数枚抜き取り、机の上のペンを持ってユイの側まで行く。
 ユイが何を考えているのか分からず、無表情のまま尋ねた。


「文字の勉強でもするのか?」

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