雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
マイクロマシンが喉の奥へ移動するまでの間、ロイドはそのまま、うなる女を見下ろした。
「そろそろいいか」
頃合いを見計らって、ロイドは女の拘束を解き、床に座った。
「ったく、手間を取らせるな」
起き上がり、首を押さえて咳き込む女を見つめて言うと、彼女は涙目で睨んだ。
「なんて事するのよ! ひとの口の中に!」
「おまえが口移しはイヤだと言うからだ」
女は拳を握り、ひざ立ちで怒鳴る。
「あなたの唾液まみれのものを放り込まれたら口移しと変わらないじゃないの! っていうか、吐き出したもの飲まされるくらいなら口移しの方がマシよ!」