雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 残り十五日間、ユイと共に同じ時を過ごし、時々抱きしめて口づける事ができるなら、それでいい。

 欲を言えば、身も心もユイの全てを、手に入れたいと思う。
 けれど、一度全てを手にしたなら、きっと、もっと欲しくなる。
 そして、二度と手放したくなくなる。
 そんな気がした。

 席について少しした時、研究室の扉がノックされた。
 ロイドが返事をして席を立つと、扉が開き、ローザンが様子を窺うように顔を覗かせた。


「なんだ、おまえか。よそよそしい」


 ローザンは笑顔で頭をかきながら部屋に入ると、後ろ手で扉を閉めた。


「いやぁ、取り込み中だとマズイと思って」
「何を想像している。エロ医者め」


 毒づくロイドに、ローザンはため息をつきながら、ユイの元に歩いて行った。

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