雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ユイは軽く頷いて、ロイドの持つグラスに目を向けた。
 ロイドが何を飲んでいるのか気になったようだ。


「で? 何が聞きたいんだ? 酔っぱらう前に話しとけよ」
「うん」


 ユイはグラスを机の上に置き、朝考えると言っていた様々な疑問をロイドにぶつけてきた。

 まずは東屋の石段を壊した犯人。

 これは今もって分かっていない。
 ユイを連れ去ろうとした男にも尋問したが、彼はこの件には全く関与していなかった。

 元々東屋は人気のない場所だ。
 今後も犯人が判明する可能性は低い。

 次に王宮内で物が消えたり現れたりする現象。

 ユイは王宮外のラフルールの街でも起きているのか尋ねた。
 ロイド自身は聞いた事がない。
< 257 / 374 >

この作品をシェア

pagetop