雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「凶暴な女だ」(3)


 全身で抵抗するから、よほどイヤなのかと思ったら、口移しの方がよかったとは驚いた。

 ロイドは思わずニヤニヤ笑う。


「なんだ、オレとキスしたかったのか。それは悪い事をしたな」
「どういう思考回路してるのよ!」
「超優秀な思考回路だ。丁重に扱えよ」


 そう言って自分の額を指先でコツコツ叩くと、何が気に入らないのか、またしても殴られそうになった。
 凶暴な女だ。


「もぉ〜。なんか喉に引っかかってるしぃ〜」
「それは好都合だ。その感覚を覚えておけ。飲み下さずに喉に引っかけるんだ」


 首を押さえて恨み言を言う女に、マイクロマシンを飲む時のコツを説明する。

 すると突然、女の声が変わった。
 マシンが作動したようだ。

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