雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ユイはひと息つくと、最後の質問をぶつけてきた。

「じゃあ、これで最後。私がクランベールに来た日に、世界規模の気候変動や天変地異があった?」
「ない」


 ロイドの答を聞いて、ユイはニヤニヤと笑い始めた。
 そして机の上のグラスを取り、果実酒をグビグビとあおった。

 ロイドは慌てて、そのグラスを取り上げる。


「おい、一気に飲むなと言っただろう。何か分かったのか?」


 ロイドの問いかけに、ユイは得意げな表情でこちらを見据えた。


「結論から言うわ。王宮にもう一つ遺跡があるのよ」
「はぁ?」


 ロイドは面食らって目を見開いた。

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