雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「殿下は好奇心旺盛だからな。充分あり得る話だ」
「あの穴、もう塞いじゃったの?」


 ユイを巡って物騒な事件が続いたので、城の出入りが厳しく規制されている。
 信頼の置ける業者の手が取れないので、穴は放置されたままだ。

 早速明日調べてみようと言うと、ユイは恐る恐る尋ねた。


「私も行っていい?」


 ユイも殿下同様、好奇心旺盛だ。
 来るなと言っても、おとなしくしているはずがない。
 こっそり後をつけられる方が、よほど危険だ。

 ロイドは少し笑って、ユイの頭を撫でた。


「あぁ。おまえの仮説だ。自分で立証して見せろ。それに、遺跡が見たいと言ってたじゃないか」


 ユイは嬉しそうに笑って頷いた。

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