雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「うん。楽しみ」


 ユイの笑顔にロイドも頬を緩める。

 少しの間見つめていると、先ほど一気に飲んだ酒が回ってきたのか、ユイの目がトロンとしてきた。

 ほんのり頬も染まっている。

 無防備で無自覚なくせに、その表情は充分すぎるほど、ロイドを煽っていた。

 何を思ったのか、突然ユイはゆっくりと腕を伸ばして、ロイドの頬に手を触れた。


「痛かった?」


 今朝の平手打ちの事を言っているようだ。
 ロイドはユイの手に自分の手を重ねて微笑んだ。


「あぁ。おまえに嫌われるのが、あんなに痛いとは思わなかった」
「ごめんね」
「いい。自業自得だ」

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