雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 遺跡に続く霊廟の棺のふたは開いていたので、あのロボットはそこから出入りしていたのかもしれない。

 遺跡発見の翌日から、ブラーヌが王宮にやってきた。
 柱や壁面に刻まれた古代文字を見て、彼は酷く興奮した。
 遺跡が造られた経緯や古代の文化が、解明されるかもしれないからだ。

 しかし今は、そんな事より、装置そのものの操作方法や、計器類の機能を知る事の方が先決だ。

 ロイドは操作パネル周りの古代文字を優先して、ブラーヌに解読してもらった。

 その結果、ユイの仮説通り、王宮地下の遺跡は、全遺跡のメイン制御装置である事が判明した。

 これで異世界の捜索が出来る期間が延長できると喜んだのも束の間、遺跡の稼働エネルギーの残量が、あとわずかしかない事が分かった。

 おまけに同期時に使用されるエネルギーと残量から計算した結果、延長どころか一日短縮される可能性が高い。

 残り時間は二十秒になってしまった。
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