雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「凶暴な女だ」(4)

「タダ飯食えると思うなよ。生体実験のサンプルくらいは覚悟しとけ。だが、夜にはかわいがってやろう」


 そう言って、女の髪をひとつかみ持ち上げ、肩の上にパラパラと落とす。


「この、エロ学者!」


 女はわめきながら、ロイドの腕を振りほどいて逃れた。
 ロイドは勝利を確信し、腕を組んで笑みを浮かべる。


「殿下の身代わりを演じるなら、王宮内でのおまえの自由は保証しよう。何が得策か、バカじゃなければわかるだろう?」


 女はふてくされたような表情で、上目遣いにロイドを見上げた。


「わかったわよ」

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