雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
ユイはぐったりしたまま、力なく反論した。
「ひどい……無理矢理飲ませるなんて……」
「おまえが素直に自分で飲まないからだ」
初めてユイにマイクロマシンを飲ませたときのことを思い出して、ロイドはクスリと笑った。
「あぁ、そういえば、口移しの方がいいって言ってたっけな」
「言ってないわよ」
ロイドを叩こうとしてフラついたユイは、慌ててソファの背もたれに背を預けた。
背もたれの上に頭をのせて、少し上向いたまま、ユイは恨み言を言う。
「もぉ〜バカぁ〜目が回るぅ〜」
ふと、ユイの口元から首筋にかけて、赤い筋が付いているのに気付いた。
メガネなしのロイドは身を屈め、顔を近付けて確認する。