雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
無駄に時間がかかったが、女が承諾したので、身代わりを演じる上での注意事項などを説明する。
話が終わり、女が髪を束ねていると、ラクロット氏が殿下の服を持って戻って来た。
女の姿を間近で見て、ラクロット氏は目を見張った。
声を聞かせると、さらに驚き、これなら殿下の身代わりとして申し分ないと判断したようだ。
彼は笑顔で女に挨拶をし、名前を尋ねた。
それでロイドも、ふと気が付いた。
「そういえば、名前を聞いてなかったな。何という?」
女は憮然として名乗った。
「ユイよ。ユイ=タチカワ」