雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「いつか、しよう」(1)

 隣でゴソゴソ動き回る気配を感じて、ロイドは目を開いた。
 目の前にいるユイが、少し戸惑うような表情で、朝の挨拶をする。

 どうしてユイが一緒に寝ているのか、一瞬分からなくて、ロイドは記憶を辿り始めた。

 ゆうべ風呂から上がってぼんやりした後、ユイが寝ている寝室へ向かった。

 様子を窺うとユイは、敏感だと言っていた首筋を触っても、反応しないほど爆睡していた。

 ロイドはホッと安堵の息をつく。
 ユイが起きていたら、一緒だととても眠れそうにない。

 ロイドは安心して隣に潜り込むと、横向きに眠っているユイを背中から抱きしめた。

 弾力性には欠けるが、温かくて最高の抱き枕だと思ったのも束の間、少しすると暑くて、じんわり汗ばんできた。

 ロイドは寝間着の上衣を脱ぎ捨て、布団から少し肩を出し、改めてユイを抱きしめた。
 快適温度になった途端、そのまま眠ってしまったようだ。
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